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2・4・5 二次電圧測定試験
巻線形について二次巻線を開路し、回転子の静止状態で、一次巻線に定格周波数の定格電圧を加え、二次巻線端子間に誘起する電圧を測定し、次の値以内であることを確かめる。
 

 

 
2・4・6 無負荷試験
この試験は円線図法によって特性算定を行う場合のすべりS≒0の点(無負荷点)の特性を測定すると共に運転中の各部の状態を点検する。
試験は任意の周囲温度で30分以上無負荷運転し、定格電圧のもとで入力が一定になったら電源周波数を定格周波数に保持し、定格電圧の120%ぐらいから機械損の分離し得る程度の電圧まで約10%ずつ電圧を下げて、そのつど入力及び電流を測定する。このとき、定格電圧では各相電流の平均値がJISC4210(一般用低圧三相かご形誘導電動機)に記載されている参考値以内にあるか、また各相電流とその平均値の±5%以内にあることを確認する。
図2・37は無負荷特性の一例である。
なお、測定回路は拘束試験時と同じであるが、計器を変える必要がある。
 

図2・37 無負荷特性曲線

55kW−4極−3000V−50Hz

 
 〔注意〕
(1)運転にさきだち、機械的点検を十分にし、異物の混入、ブラシのはずれなどのないこと、潤滑油は規定どおりあることを確める。
(2)運転に入ったらすぐエンドプレー(軸方向の振れ)を確め、異常音・振動に注意する。
(3)電源に商用電源を使う場合は電圧の平衡に注意を要する。一般に誘導電動機は電圧の不平衡の程度により無負荷電流の不平衡の程度が大きい。
2・4・7 拘束試験
(1)拘束試験の方法
この試験は、円線図法によって特性算定を行う場合の、すべり(拘束点)の値を求めるために行う。電動機の軸が動かぬように特殊腕木などで固定し、任意の周囲温度で一次巻線に定格電流の150〜50%程度の定格周波数の電流を通じ、各電流に対する端子間の電圧及び入力を測定する。定格負荷電流に対する拘束電圧(インピーダンス電圧)の値は、440V電動機で70〜100V、ぐらいである。

 

 

 

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