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の周波数の電波で2分母に時刻と軌道情報を送信している。衛星航法受信機が上空の飛しょう中の衛星から信号を受信すると、衛星軌道からの距離に応じたドップラ信号(接近又は離反の速度によって発生源の周波数が高くなったり低くなったりする現象を示す信号)を生ずると共に、時刻信号と軌道情報を受けるので、これらによって船位の解析計算を電算機で処理し、自船位置を測定する。この受信機による測定頻度は、衛星が近くの上空を通過する周期によって決まり、その間隔は緯度によって異なるが30〜120分に1回の割合であるので、任意に何時でも衛星により測定はできないが、その測定精度は非常に高いといわれている。実際の装置ではジャイロコンパスとログの信号を電算機に入力して、先に衛星により測定した自船の位置を基準として、常時自船の推定位置を計算し、その値を表示できるようになっている。
2・13・17 GPS/NAVSTAR航法装置
GPS/NAVSTARとはGlobal Positioning System/Navigation System usi? Time And Rangingの略で、全世界的な位置測位システム/時間と距離による航法システムを意味しており、一般にはGPSと略称されている。
GPSは、アメリカ空軍のスペース・ミサイル本部が中心になって開発を進め運用されるに至った人工衛星利用の受動形測位システムで、他の受動形電波航法システムと比べ、最も精度高く有効なシステムと認められている。
GPSは衛星は現状では地球の表面から高度約20,187?で、6軌道に18個の衛星(各軌道に3個づつ)を配置され、周期約12時間で地球を周回している。
GPS衛星は極めて精度の高い時計装置が備えられており、各衛星とも定められた時刻に電波を発射する。利用者側の受信機も正確な時計装置を備え、各衛星からの電波を受信し、衛星から利用者までの電波の伝搬時間を測定することにより、両者の距離が測定される。利用者は視野内にある3〜4個の衛星を同時に受信して3次元的に自船の位置を決定できる。GPS受信装置は一般に信号捕捉と追尾をマイクロコンピュータ制御により行い、時々刻々の船位情報を得ることにより、自船の現在位置、速度、針路、また、要すれば目的地迄の距離等の表示することができる。
なお、GPSシステムは初期の計画では3軌道に24衛星を配置することになっていたが、財政的な理由から6軌道18衛星に変更された経緯があり、何れは衛星個数の追加が行なわれる可能性あることに留意する必要がある。

 

 

 

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