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(4)磁気ひずみ材料は磁気ひずみ効果を利用する材料で高周波特性がよく、ひずみ効果が著しい材料がよい。それには純ニッケル、鉄コバルト合金、アルミニウム鉄合金、コバルト等がある。
用途としては磁気ひずみ振動子として超音波の発生に用いられる。
(5)その他磁気録音材料
非磁性材料等があり前者は酸化鉄の粉末をラッカー中に均一に分散したものをプラスチックテープ上に塗布した録音テープというものであり、後者は一種の鉄綱でありながら強磁性体ではない材料である。これにはキュリー点を常温以下に下げた綱、ニッケル、銅等の材料である。
用途としては電器機器内の鉄心押え金、がいしのキャップ、支持金具等に用いられる。
注:強磁性体では、温度上昇にともなって、自発磁化が減少し、ある温度になれば
消失するその温度をキュリー点(curie point)という。

 

9・6 特殊電気材料

9・6・1 光電子放出材料
固体間の電子が光のエネルギーを受けて固定表面から外部に飛び出す現象を光電子放出といい、この飛び出た電子を光電子という。
光電子放出材料は光電管等に利用されるが、これにはセシウム(Cs)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)等がある。
9・6・2 熱電子放出材料
金属や半導体を高温に熱すると、その表面から電子が放出される現象を熱電子放出といい、この放出される電子を熱電子という。
熱電子放出材料はタングステン(W)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、トリウムタングステンなどがあり、送信用又は受信用電子管等に用いられる。
9・6・3 熱電対材料
熱電対はゼーベック効果を利用して比較的高い温度測定に用いられるもので、その材料としては白金-白金ロジウム、鋼-コンスタンタン、タクメル-アルメルの組合せたものが普通である。

 

 

 

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