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(2)倍率器
電圧計の目盛について考える。被測電圧V、このとき電圧計内に流れる電流をiとし、指針の回転角をθとすればV=i(Ro+R)、i=Kθ
ここではRoは可動コイルmの抵抗とする

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上式から目盛板のθの位置は被測電圧Vの値を目盛にすることができる。これが直流電流計である。
この可動コイルmに、直列に接続された抵抗Rのほかにより高い電圧を測定する場合には、さらに、抵抗器に直列に接続して使用する必要がある。これを電圧計の倍率器という。
この倍率器の抵抗材料には、固有抵抗高く温度係数の小であるマンガニンという抵抗金属を用いる。普通この倍率は計器の外部に装置する。

 

8・5 電流力計系計器

8・5・1 原理

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図8・4

 

電流力計形の原理は、2・3・5(3)に述べた電流力を応用したものである。
図8・4において、8・4・1(2)のNSの磁極の代りにF1、F2の固定コイルを用いその中間に可動コイルmをおく。図8・4のように、電流jを流せば固定コイルの磁界と可動コイルmとの間に電磁力が生じこれはi2に比例する電流力が作用する。そして、可動コイルmに駆動トルクが生じ、これに連結されている指針が動く。
今、jを交流の瞬時値電流、Iを交流の実行値電流とする。
瞬時トルク τ=κ i2ここでκ比例定数
平均トルク Taν=(τの1周期間の平均)
=κ(i2の1周期間の平均):κI2
Tau=κI2(8・5)
この関係を図示すれば図8・5のようになる。

 

 

 

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