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このα0を0℃における抵抗の温度係数という。
一般には、導体の温度変化による抵抗の変化は、室温20〔℃〕における抵抗値を基準にして取り扱うことが多い。このため、抵抗の温度係数としては、上記のα0よりは室温における値α20が使われる。そこで(5・17)式は次のように書きかえる。
金属導体の20〔℃〕のときの抵抗はR20〔Ω〕の場合、それがt〔℃〕のときの抵抗は何〔Ω〕かという式は次のとおりとなる。

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金属の抵抗の温度係数は、一般に正(温度上昇すれば抵抗が増加する。)であるが、炭素、セレンなどの半導体、絶縁物等の温度係数は負である。即ち、これらは温度上昇すると抵抗が減ずる性質がある。
〔例題〕温度20〔℃〕のとき抵抗が10〔Ω〕の銅線の100〔℃〕のときの抵抗
R100(Ω)を求めよ。ただし、銅の抵抗の温度係数α20を3.96×1O−3とする。
〔解〕(5・18)式よりR100=10{1+3.96×10−3(100−20)}=13.16〔Ω〕

 

5・8・3金属の抵抗率と抵抗の温度係数
単一の金属元素からできている導体は5・8・2に述べたような性質があるが、合金の抵抗の温度係数は、各組成金属の含有率等によって異なり、ものによっては温度係数が実用上零に近い値のものもある。
次の表は金属の抵抗率と抵抗の温度係数を参考のため示した。

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