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12. あとがき

試作品の自動復正性能は、水中膨張試験、投下試験では問題なかったが、最も苛酷な状態を想定した水上逆転膨張試験、即ち、膨張していない状態の救命いかだを水面に逆転の状態で拡げ、ボンベにより膨張させた場合においては自動復正しなかった。
膨張、復正に時間がかかり、この過程において数10リットルの水が内部に入り、床のたるみ、艤装品袋の移動等の影響を受け、内部の水がうまく抜けなかったためと考えられる。復原性計算は浸水が異なる場合についても実施したが、浸水によるいかだの変形が予想より大きかったためである。
天幕側部の排水方法、並びに艤装品袋の取付位置と取付方法を改善することにより、試作品の仕様を殆ど変えることなく対応可能と考えられるので、次年度は、これらの点を改良し、ただちに実用可能な形で新型式救命いかだを製作し、その有効性を確認する予定である。

 

 

 

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