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9. 主要性能の確認試験

一次試作品の性能を確認するため、以下の主要な試験を実施した。

 

9.1 試験項目及び方法

(1)自己復正試験
(a)逆転膨脹時の復正試験膨脹していない状態の救命いかだを水面に逆さまに浮かべ、ボンベにより膨脹させた時の復正状況を調べる。
(b)自己復正性能の確認膨脹させ、艤装品のみを搭載した救命いかだを水面に逆さまに浮かべた時の、自己復正状況を調べる。この場合、天幕の開口部は、全て開けた状態とし、天幕内に水を入れた状態及び水を入れない状態の両方について、様々な横転角度(180度まで)について行う。また、ロードセルを用い、復正力を測定する。
(2)水中膨脹試験
救命いかだをコンテナに収納した状態で水面下約5mに沈める。この場合、自動索の長さを最小限にして取付け、架台から離脱した直後に膨脹が開始されるような状態にする。水面上からの操作により救命いかだを架台から離脱させた時の浮上及び膨脹状態を調べる。
(3)投下試験
救命いかだをコンテナに収納した状態で高さ(18m)から水面に投下する。そのまま30分間放置した後、手動で膨脹させ、膨脹状態を調べる。

 

9.2 試験結果

(1)自己復正試験
実施場所:船舶艤装品研究所落下試験水槽
実施日:平成8年12月18日 気温:8℃、水温:9℃
(a)逆転膨脹時の復正試験膨脹していない救命いかだを裏返しにして水面上にひろげ、作動索を引張り膨脹させた。この場合、膨脹開始時にできるだけ平らな形状で浮いているように、開始直前まで、ボンベ部を支えた。その結果、膨脹開始直後に天幕支柱の座屈がみられ、約160度の横転状態でほぼ静止したが、そのまま3分間放置後、底面にたまった数10リットルの水を排除したところ、膨脹開始から7分24秒で自動復正した。

 

 

 

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