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中において膨脹を開始させることであるとの説明がなされた。但し、水中4mにおいて膨脹するのか、又は膨脹を開始するのかが明確でなかったため、その状況を明確にするため”INFLATED”から”INITIATE INFLATION”との表現に変えられた経緯がある。
また、これに関連し、IMOのLSR小委員会(LSR23,1991年)において、英国より、同様の試験を実施したレポートが提出されている。(LSR23/1NF.4)
(3)自己復正型救命いかだの基本要件
以上の性能要件及び試験基準の調査の結果、核となる基本要件を以下のように想定した。
“水面上で、艤装品のみ搭載している状態で膨脹した場合、どの様な姿勢からでも、自動的に復正すること。”

 

6.2 天幕付両面型救命いかだに対する要件及び試験基準

(1)天幕付両面型救命いかだに対する要件及び試験基準は、自己復正式救命いかだと同様に、性能要件がLSAコードに、また、試験基準がA.689改正案に規定される予定となっている。これらの内容を表3及び表4に示す。
(2)天幕付両面型救命いかだの基本要件
以上の性能要件及び試験基準の調査の結果、核となる基本要件を以下のように想定した。
“水上で、どちらが上向きになっても、天幕が自動展張しており、その状態で安定して浮遊すること。”

 

6.3 救命いかだ全般に対する性能要件及び試験基準

(1)救命いかだ全般に対する性能要件及び試験基準の一部改正がLSAコード(3)及びA.689改正案(4)として、1998年に発効予定となっている。それらの概要を表5及び表6に示す。
(2)膨脹方法の変更について
今回対象としているROR0旅客船に搭載される救命いかだは、Marine Evacuation System(現在の降下式乗り込み装置を拡張したもの、以下MESと表記する)の中で使用されるものとされているので、それらの要件を満たす必要がある。大きな変更点としては、プラットフォームに引き寄せる時の容易さ等の理由により、膨脹方法が、従来の投下時自動膨脹から、投下後の水面手動膨脹に変更される。MES関連の救命いかだに対する性能要件及び試験基準を表7に示す。
(3)風速試験の実施方法について
表6に示す風速試験については、我が国では、実績がないため、実施方法の一部詳細について、同試験を実施している英国(Mr.Dobson)へ、質問した所、以下の回答があった。

 

 

 

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