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1.事業目的

開発直後の舶用ディーゼル主機関の場合や、船型に対応した新設計の軸系ねじり振動計算では、関係する軸系の減衰量等を過去の類似軸系を参考とした仮定値で行なわれるために、初期段階でのねじり振動の主危険回転数及び付加応力の計算値と実測値は、必ずしも一致するとは限らないのが一般的である。
そこで主機関設計者は幾つかの同一軸系のねじり振動の実測と計算の補正を繰り返すことにより、実測値と計算値との誤差を少なくなるように研究努力をし、成果をあげつつあるのが現状である。
また、主機関と推進軸との間に高弾性継手を設けることにより、ねじり振動系が主機関単体の振動系に近くなるようにする等の処置が行なわれている場合もある。
このようにして、舶用ディーゼル主機関軸系(以下軸系という)に生ずる、ねじり振動の計算で求める主危険回転数及びねじり振動応力値の計算推定精度は向上したとはいえ、実測値とは、若干の誤差があると認識されている。

 

本事業では、上記認識の下、平成8年度の1ヶ年でねじり振動計算における実測値との誤差についての技術見解とその根拠を集約し、報告書として取り纏めることを目的とした。

 

 

 

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