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に代って装備できるものである。この種のEPIRBは、インマルサットの海事衛星経由で遭難警報を送信するので、警報の即時性には優れている(極軌道衛星利用の場合は、衛星が遭難船舶の視野の中にきて、更にその衛星が何処かのLUTの視野の中に来るまでは警報の伝達はできない)が、衛星システムでその発信の位置の測定ができないので、遭難警報に何等かの形で“自動的に”遭難の位置を含ませなければならないことになっている。この種のEPIRBは、GMDSSの審議期間中に各国で試作検討が進められ、西独と我が国の試作のシステムが採用された経緯があり、ドイツにおいて一部実用されている。わが国においては電波法ではこのシステムは採用されているが、船舶救命設備規則の中にはその規定は含まれていないので、ここでは取上げられていない。
なお、極軌道衛星利用EPIRBの信号を海事衛星中継で海岸局が受信すれば、警報の即時性は達成されるが、現在の海事衛星には406MHz帯の受信の能力はなく、そのような静止衛星上の中継器の可能性については、アメリカの衛星実験と我が国の地上シミュレーション実験があるが、地上の送信機の送信電力が5Wに制限されているので、不可能ではないが、いろいろな問題が残っている。
1.2 コスパス・サーサット・システムの現状
(1) 衛星の現状Cospas衛星はCospas8まで、Sarsat衛星はSarsat10までが用意されているが、1995年春現在運用されている衛星は下表のとおりである。

018-1.gif

注:(1) 軌道上の予備衛星
(2) アメリカの局での運用
(3) 電磁障害により劣化
(4) 1988年に故障
(5) 評価試験中
NAは搭載せず
Nは運用中止

 

 

 

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