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第15規則には次のように定められている。

(a)救命艇、救命いかだ、及び救命浮器の備付けを規律する一般原則は非常の場合に、これらの器具を迅速に利用でさること。

(b)これらの救命器具を迅速に利用しうるために、次の条件に適合しなければならない。

 (i)船舶の10度の縦傾斜及び20度の横傾斜という不利な状態においても、安全にかつ迅速に水上におろすことができること。

 (ii)これらの救命器具に迅速にかつ秩序よく乗り込ませることができること。

 (iii)これらの救命器具の配置が、他の救命器具の操作を妨げないものであること。

(c)すべての救命設備は、船舶の出港前にまた航海中常に良好な状態に保ち、かつ、直ちに使用しうるようにしておかなければならない。

7. 安全法以外の関係法規

(1)高圧ガス取締法

 膨脹式救命いかだを自動膨脹させるのに高圧容器入りの圧縮液化炭酸ガスを使用するので100cc以上の容器を扱ういかだメーカーやサービス・ステーションは高圧ガス取締法の適用対象となる。内容積100cc以上500リットル以下の容器に関しては通産省が取締権限を都道府県知事に委嘱しているので、その営業許可を受けなければならない。
 この許可を受けるためには、一般高圧ガス保安規則に定める貯蔵庫の設置を要する。高圧容器そのものについては高圧ガス取締法(高圧ガス取締法施行令、容器保安規則を含む)に規制があるので、その取扱いにあたってはこれら法規に十分精通している必要がある。

(2)火薬類取締法

 膨脹式救命いかだは遭難時の信号用として落下傘付信号や信号紅炎を艤製品として搭載するので、これらの貯蔵、販売を行なういかだ取扱事業所は火薬類取締法の適用を受ける。
 高圧ガスと同様に火薬類の販売についての認可も都道府県知事の所管であり、その許可を得るためには、所定の火薬庫の設置と乙種火薬類取扱保安責任者免状を有する取扱保安責任者およびその代理者の配置が必要である。S.Sで扱う数量は僅かであるが、火薬庫などについて事前に都道府県とよく打合せてその指示に従って営業許可を受けるようにするとよい。営業許可のないS.Sは運輸局から整備事業場として認定されない。
 いかだと一緒にコンテナーに入れ格納封印されている火工品は、火薬類とは見なされないが、火工品だけを火薬類営業許可をとっていない船具商、造船所等が運搬したり貯蔵したりすると処罰されるので注意を要する。

8. いかだ整備技術者の講習及び研修等の規定

(社)日本船舶品質管理協会は「般用品整備技術講習委員会規程」により膨脹式救命いかだ整備技術講習会を開催し、整備技術者の養成を実施している。この講習会において「般用品整備技術講習委員会」

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