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(e)乗込台の機能確認

 漏洩試験終了後。各社の整備方法に従って乗込台の機能を確かめる。

(4) 床気室の試験
 床気室は、メーカーあるいは型式により使用材料や構造や設計内圧が異っているものがあるので、試験の際整備規程等により確かめ、過圧による変形損傷のないよう注意を要する。
 主気室等の内圧変化は味気室の内圧にも影響するので、時間を違えて試験を行う方が正確であるが、時間の節約上通常同時に行われる。主気室等の漏洩が多かった場合は別個に床気室だけ再試験する方がよい。膨脹状態での外観点検を終えて異状のないもの及び主気室等あるいは床気室の修理を終って20時間以上経過したものの補助空気弁に水マノメータを取付けて次の試験を行う。

(a)予備試験
 床気室を設計圧力の約1.1倍に膨らませ、内圧が安定したときを開始時刻として室温、大気圧、気室温度を測定記録する。
 1時間放置後、内圧、室温、大気圧、気室温度を測定記録し、温度と大気圧の補正後の内圧低下が著しく漏れがあると判断されたときには、漏れ個所を調べ、修理基準に従って修理する。ただし1時間放置の途中で漏洩を発見した場合は、試験を中止し、損傷部を探索、補修後に再試験する。

(b)漏洩試験
 主気室等の漏洩試験と同時または時間を違えて行う場合の何れにおいても、床気室の漏洩試験は予備試験に引続いて行う。
 内気室を設計圧力に調整し、内圧が安定したときを開始時刻として、気温、大気圧、気室温度を測定記録する。
 1時間経過後、内圧、気温、大気圧、気室温度を測定記録する。温度と気圧の補正後内圧が初期内圧の93%以上のものは合格とする。
 不合格の場合漏れ個所と原因を調べ、製造後8年を経過したもので主気室と同様に床気室にも老劣化による全面漏洩の発生が認められるものは廃却とする。
 製造後8年以下のもので、外傷のような気室布老化によらない原因で漏洩する場合は、修理基準に従って修理し、再試験を行う。ただしS.Sで行う修理は“臨時検査を受けなければならない修理’を超えない範囲でなければならない。

(5) 荷重、耐圧試験における接合部の点検
 製造後8年以上経過したいかだに限り、経年変化によるゴム布及び接着剤の劣化の有無を確認するため、床気室には荷重試験を、主気室には耐圧試験をそれぞれ実施することになっているが、試験時の点検方法及び合否の判断基準について、その要領を次に示す。

○点検の主要個所

 上下主気室、床気室と主気室、天幕命及び外面パッチ類等のいかだ内、外周の各接着部

○点検の方法

 手持ち電灯等で照射し、接合部のずれ、はがれ、ウキ(空洞)等の有無を観察する。

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