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(g)封印後の作動ワイヤーは、引張られて誤作動しないようループ状に巻くか、または仮縛しておくこと。最後にもう一度、全体の組立に無理がないことを確認して、開口部は紙テープ等で塞ぎ、布に包んで異物の入らないようにしておく。

(h)(a)〜(d)の部品点検で異状があった場合は、交換の有無にかかわらずすべて記録しておき最後に再確認する

(3) 連結金具(不運弁を含む)の点検

(a)連結金具本体、ねじ部の破損、発鯖、腐蝕の有無を調べる。袋ナットを指でまわして軽くまわらない時は、内部の故障と考えられるから交換する。

(b)いかだ側の金具とゴム座との焼付部を指先で傾けて引張り、焼付部の剥離、気室布とのはがれ等の有無を確かめる。

(c)連結金具がいかだ側から分饒する構造の製品は、不運弁の変形、ヒビ割れ、切れ、硬化等を調べ、弁に柔軟性があり、金具側に密着することを確認する。密着がよくないものは弁抑えの小ねじを緩めて不退弁を外して点検する。
 不運弁を取外した場合は、再組立てのとき小ねじを強く締め過ぎないよう締め具合に注意すること。
 異状のない場合は、不運弁の汚れを清拭し、金具接着面に所定のシリコングリースを軽く塗布しておく。

(d)不運弁の洩れ試験は、連結金具をいかだに組込んだ後、大型コンプレッサーで油気、水分のない圧縮空気を連結金具から送入して気室を膨脹し、開口部に石けん水を塗り、その膨みにより弁の洩れをチェックする。
 僅かの洩れは、弁抑えの小ねじを調整するか、弁ゴムにシリコングリースを塗布すると正常になることがあるが、洩れの甚しいものは交換すること。

(e)連結金具がいかだ側と一体になっているものは、(a)、(b)および(d)点検をする。不運弁からの洩れが僅かである場合は、開口部から丸棒で弁座を軽くつつき、弁座の不安定な状態を調整すると洩れが止まることがある。

(f)点検がすべて終ったら開口部を紙テープ等で塞ぎ、布に包んで異物の入らないようにしておき、補修、交換した部分はすべて記録に止め、最後に再確認する。

(4) ボンベ点検

(a)表面を清拭し、外観点検を行う。容器頭部に刻印された記号、番号、容量、製造年月、耐圧試験年月等を調べ、側面に表示されたガス名、容器重量、ガス量、全重量、充てん年月、温水試験実施年月、メーカー名等を記録する

(b)刷込み表示内容が不鮮明な個所は墨入れする。またボンベ所有者表示ラベルを確認し、現所有者と相違する場合は現行を抹消(線引き)し、新たな現所有者名を記載する。ラベルに記入棚がない場合はラベルを貼り替える。

(c)容器本体、口金部、ねじ部の発錆、損傷等を調べ、整備規程の判定基準に基き判定する。容器本体の発錆、腐食のいちじるしいものは交換する。

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