日本財団 図書館


 

しかし、その計測の大部分は、その工程にたずさわる人の手によってなされる。信頼性のある計測を行うためには計測器の精度管理もさることながらいつ、だれが、どんな方法で、どんな頻度で、どのような計測器を用いて測定するかの標準をきめて、作業指導書、QC工程表等に明示して一貫した計測管理が行われるようにしておかなければならない。
計測管理にあたって、次の事項を行う必要がある。
? 計測器の取扱法、読みとり記録の正確化および合理化
? 計測器の精度管理、トレーサビリティー
? 計測方法の合理化、自動化
? 計測作業の教育訓練
? 計測作業の標準化
? 計測作業結果の処理と活用

 

5.2.6 環境の管理
作業環境の整備充実は作業者の安全、健康の確保は勿論、品質確保の面からも重要なものの一つであり、衛生管理、健康管理、公害等のうえからも最近特に重要視されている。
作業環境の管理については衛生管理面と作業、製品品質の面とに区分することは困難であるが、ここでは作業、製品品質の面を主体にとりあげる。
職場における環境の形態を大まかに分類すれば、粉じん、湿気、温度等と有機溶剤等の有害物質が原因となるものとがある。
つまりこれらの有害物質が全くなく、作業環境が万全に管理されておれば、人、物に悪影響を及ぼす余地は全くないはずであるが、それは技術的理由等により不可能なことであるから環境管理の必要性が生じてくる。
従って、一時的にもせよ、環境面での不備、欠陥等により、品質、人身両面に悪影響を及ぼすようなことがあってはならない。
防塵については、防塵室、防塵壁、覆等による配慮、除湿については空調等の方法があるが、作業性やその品質に要求される程度によって決定されるべきである。
また有害物質については、いかに科学技術の進歩した今日においても、有害物質を使用しない、あるいは全く無害な条件のもとで作業をするということは不可能である。
従って次善の策として、いわゆる環境の改善整備ということが必要となってくる。
具体的に有害な作業条件による影響を防止するためには
? 有害物を別のものに代替する
? 有害要因の影響を抑制する

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION