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5.1.3 製品の信頼性
(1) 信頼性(Reliability)
真の品質保証をするには工場出荷時点で保証され、正しい機能を有するだけでは不十分である。決められた適正な使用時間内では故障がなく、規定どおりの機能を果たすことが必要である。信頼性とはJISZ8115によれば、「アイテムが与えられた条件で規定の期間中、要求された機能を果すことが出来る性質」と定義されている。
信頼性は、時間的品質保証をするのがねらいである。信頼性の大半は設計段階で決まってしまうものである。また、真の信頼性は保全性と切り離すことができないものである。特に、保全を行う機器やシステムは信頼だけでなく、故障しても直す能力やスピードが問題になる。
このように、製品に対する要求を満足させるために、信頼性に関するデータを蓄積し、欠陥や故障原因の解析、信頼性向上などの技術を活用すべきである。
(2) 信頼性と保全性について
品質保証における技術的な仕事の目的を平たくいえば、「お客様の手元で製品が故障しない」ということである。お客様の側から見れば故障のない製品ほど信頼がおける。
そこで故障のおこらない度合を信頼度(Reliability)と呼んでおり、企業としてはこの信頼度確保活動が重要な活動になるのである。
さて製品は何故、故障するのだろうか。
先ず第1に製品自身に故障をおこす原因を持っている場合がある。たとえば設計に余裕がなくて故障をおこしやすい部分があったり、材料や部品が劣化したりする場合がある。
第2は出荷のあと使用されている間の問題である。包装方法や運送方法が適当でなかったり、使用する環境が悪かったり更にお客様の使い方が正しくなかったりする場合である。
しかし、どうしても故障が避けられないとしたら、どうすべきであるのか。
この場合は、故障した製品をいち早く修理して製品の働きを回復しなくてはいけない。そのためには、その製品がはじめから修理しやすく設計されていること及び技術サービスマンや補用部品が十分に市場に配置されていること等が大切である。
このように製品を故障状態から規定の期間内に正常状態に回復する性質を保全性(Maintain ability)と呼んでいる。
即ち製品の信頼性は製品そのものの信頼性と保全性との和でできあがっている。いわばこわれない信頼性と直す保全性を総合したものが広義の信頼性といえる。
(3) 信頼性の定義と信頼性を計る尺度
製品の信頼性を論じ、その確保活動を行なう場合、信頼性の定義を具体的、且つ、数量化した客観的な尺度の設定が必要である。

 

 

 

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