日本財団 図書館


 

ことであって、いくら品質管理をやっているといっても、品質保証が十分に行われていなければ品質管理をやっているとはいえないのである。
認定事業場ではこれらの基本的な品質保証機能を充実させ確固たる品質保証体制にすることは勿論であるが、更に時代の要請に応じ新しい考えの品質保証に発展させるべきである。
特に、現在必要とされる新しい考えとしては、
(1) 製造物責任(Product Liability:PL)
製品が高度化、複雑化するに伴い製品欠陥による事故発生が考えられ、企業の責任を追求するユーザの運動が高まって来ている。そして法律も売手保護よりも買手保護の思想に移り変り、消費者保護のための新しい法律が制定されたりしている。
PLとは製造者が販売した商品の欠陥やその表示、説明書の不備または誤りなどに起因して、使用者の身体または財産に損傷を与えたことに対する製造者の賠償責任である。
また、一般的な概念としてIS08402によれば「製品に起因する人の負傷、財産の損害又はその他の損害に関連する損失を賠償する、生産者又はその他の者に課せられた責任を記述するために用いられる一般的な用語」
「参考製造物責任の法律的及び経済的な意味は司法管轄権によって異なることがある」
と定義されている。
欠陥商品を出さないようにするのは勿論のことであるが、ユーザの誤用、過信用によって起こるトラブルの防止まで考えた安全と人命尊重に重点をおいた品質保証をしなければならない時代になってきており会社のトップをはじめとする総合的品質保証システムがますます重要になっている。
ちなみに、製造物責任法では、使用者により安全な製品の供給とユーザの立証責任を軽減を目的としている。製造者は、過失がなくとも「製品に欠陥があれば、損害賠償の責任を負う」ことになりかねない。従って、企業としては前向きにこれを受け止めて、積極的な対策を打ち出すことが大切である。
具体的方策としては、?使用安全確保に徹すること、?不測の事故発生に備えておくこと、の2つが上げられる。
前者をPLP(Product Liability Prevention:製造物責任予防)、後者をPLD(Product Liability Defense:製造物責任防禦)と呼んでいる。
PLPとは、製品の安全設計や不安全な使用方法の防止や、危険な誤用を予防するために、ユーザへの警告や教育を十分行うことであり、技術面の予防対策である。
PLDとは現在の業務に対し、法律面からチェックを行って、製造物責任を追求されないような体制を作り上げておくことや、法律的証拠となるような業務を整備しておく。又PL

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION