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4.新たな貨物需要の開拓

長期的には、戦略的な産業振興、外資系企業も含む企業誘致による、松山発着の貨物需要を創出していくことが望まれる。
すべての機能を総合的に有する物流拠点化は、都市規模からして簡単ではない。
既存企業の集積、立地ポテンシャル等を活かして、業種を絞った物流拠点が必要と考えられる。
(1)物流拠点化
?.特定の業種に強みを持つ物流拠点化
漠然と全方位的に貨物を開拓するのではなく、長期的な視点から、松山の既存企業・技術・取引先等の資産を活用し、「的を絞った育成戦略」が必要である。
例えば、北九州港における自動車部品産業、高知新港における輸入住宅建材業集積の構想等である。
その対象となる有望業種として、海産物加工、冷凍食品などが考えられる。松山圏域には、これらの分野において有力な企業が集積しており、それらの中には全国のトップシェアを持つ企業もある。しかも、それらの原料は海外産のものが多く使われている。国内での原材料の確保難等から、海外シフトがますます強まりつつある。研究開発の分野においても、愛媛県工業技術センターと企業との共同開発により、成果が上がりつつある。
輸入食材と開発意欲のある企業が出会うことによって、新たな商品開発のアイデアを刺激し、ヒントも与えられよう。輸入品の活用は、これからの食料品加工業において避けて通れないテーマとなりつつある。中小企業においても、輸入品の活用が図られるよう、共同輸入、代行輸入等の機能が欠かせない。
そして、「『食』に関する新しい商材は愛媛から生まれる」と言われるよう、研究開発型の企業を集積していくことが必要であろう。
愛媛県において行われている「トリガー産業」(地域発展の引き金=トリガーとなる産業)振興の一つとして、八幡浜・大洲圏域で「フード産業」の振興が計画されており、これらと連動した産業振興が望まれよう。

 

 

 

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