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3.近隣港湾の整備

(1)コンテナ港の増加
松山港の周辺の主要各港では外貿コンテナ船が出入りしている。四国においても外貿コンテナ港は4港(松山、今治、三島川之江、徳島小松島)もある。しかしながら、各港とも集荷圏は決して広くない。例えば、広島港においても、東は福山港、水島港、西は岩国港、徳山下松港に、北には境港がある。さらに、その周囲には神戸港、下関港、北九州港なども控えている。このため、集荷圏は広島圏域に限られる。
松山港においても、フェリーなど既存交通網が関西方面と深い結び付きを有するうえ、他港の勢力圏と重なり合っている。
(2)港湾整備の進捗
松山港は平成12年度の新外貿ふ頭の建設を進めている。大分港での大規模なコンテナふ頭が平成8年秋に開業し、話題を呼んだ。平成12年前後に広島港をはじめ、松山港の周囲でも大型バースが相次いで誕生する。四国においても平成9年度には高松港、高知港(新港)も設備が整う。当然、各港とも大型母船の寄港を目指すであろう。
●広島港 出島地区4バースを整備、平成12年部分供用(最大-14メートル)
●高知新港 -14メートルコンテナバースを整備中、平成12年度
-12メートルバースを平成9年度末供用開始予定
●小松島港 赤石地区4バース整備、平成12年度完成
多目的バース
●徳山下松港 -14メートルバースを建設中
●細島港 -13メートルバース計画あり、平成12年目標
(3)競争の激化
今後は航路の誘致や貨物量の確保をめぐって、地方港湾間の競争が一段と激しくなろう。港湾間の競争のなかで、貨物量を確保できる港湾・航路とそうでないところとの格差が開いていくことも予想される。船社は貨物量が確保できず採算が合わない航路は、抜港、船舶の小型化、休止などに走り、航路の利便性が損われたり、航路の消滅すらありえる。地道な実績の積み上げが必要とされる。
地方の外貿コンテナ港のなかには、背後圏に産業の集積が乏しく、消費都市でもないところもある。こうした港では、貨物量の少なさや輸出入のアンバランスによる空きコンテナの回送コスト増大が、航路の維持発展のための大きな問題となる懸念がある。

 

 

 

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