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第5章テクノスーパーライナー(TSL)の導入可能性

1.テクノスーパーライナー開発の現況

(1)経緯と現況
平成元年に運輸省によるテクノスーパーライナー(TSL)の開発プロジェクトが開始されて以降、約17,000海里の航海を含めた実験船による調査研究が、平成8年に終わった。その結果、貴重な実験データや技術的な資料が得られ、当初の目的を達成することができた。特に、輸送対象貨物については、生鮮食料としての魚、野菜、花のみならず卵までも、全く損傷なく輸送できるなど、予想以上に高速性と貨物の安全性を実証した結果、期待を集めた。

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(2)輸送手段としてのTSLの存在領域
ア.国内輸送
TSLは国内輸送においては、その予想される輸送サービスの特性から、次のような緊急貨物、生鮮品などが主たる対象貨物として考えられる。

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イ.国際輸送
TSLの仕様を照らし合わせると、韓国、中国の一部等との間で技術的には就航も可能とみられる。途中、沖縄等で給油すると、さらに遠距離も可能である。
ただし、国際貨物輸送において、航空機とコンテナ船と中間の輸送手段として、可能性があるかは疑問視する向きも多い。

 

 

 

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