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第4章コンテナ航路の現況と地方港湾

1.世界の外貿定期コンテナ航路の概況

(1)輸送手段の変化とコンテナ化の進展
貿易品目が原燃料・素材中心から、製品・加工品中心に移行していくに連れて、国際輸送の中心は、専用船による大量輸送品目(バルクカーゴ)から、定期船(ライナー)による混載品目(ゼネラルカーゴ)へと移行しつつある。
また、荷役の効率化やドアツードア輸送へのニーズに対応して定期船輸送においては、コンテナ化が進展している。?荷役効率の向上により、停泊時間が短縮され船舶の回転効率が向上、?大型化高速化による輸送性能の大幅な向上、?荷役方式の機械化による作業の簡素化、?荷傷みの減少、?雨天でも荷役が可能、?海陸一貫輸送が可能、などコンテナの利点が、大量物流のニーズにマッチし、コンテナリーゼーションは飛躍的な進展を遂げ、定期貨物量に占めるコンテナ化率は9割に達していている。
国際輸送のコンテナ化は、当初大都市港湾から普及し、近年では地方港湾においても後を追うようにコンテナ比率が向上しており、コンテナ化は全国の港湾に浸透しつつある。
(2)船舶の大型化
航路別に世界のコンテナ船就航船腹量をみると、極東北米、極東欧州、北米、欧州のいわゆる3大航路が56.9%を占め、これに次いで中東・インド関係航路の船腹量が大きくなっている(平成6年末現在)。
3大航路を中心とする幹線コンテナ航路では、大手船社間の競争激化に伴い、スケールメリットを活かすため大型化が進展し、(6,000TEU台も出現している。このため、遠洋航路では1港あたりの取扱量を多くする必要があり、さらに定曜日サービスや輸送日数の短縮を実現するため、寄港地の集約化への要請が強くなっている。特に港湾費用が相対的に高いわが国の港湾においては、こうした傾向が強くなっている。
航路別に1隻当たりの船腹量をみると、極東、北米航路や極東/欧州航路では、3万DWT、2,000TEUを上回っており、船型の大型化が進展している。2,000TEU以上の大型コンテナ船の就航する港湾では大水深岸壁の整備が必要とされる。
一方、アジア域内航路では1,000TEU以下の小型の船型が中心となっている。
(3)わが国の外貿定期コンテナ航路の概況
ア.わが国の外貿定期コンテナ航路の概況
わが国における遠洋航路(欧州北米豪州等)の寄港地は、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸の5大港が中心となっている。その寄港パターンは京浜(東京・横浜)、

 

 

 

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