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2.貿易における港湾利用の実態

(1)利用実態

「輸出入貨物に係る物流動向調査」(平成8年)によると、愛媛県で生産された輸出貨物のうち、松山港を経由する割合は、数量で8.9%、金額で5.8%を占めるにとどまっている。一番多いのが数量では新居浜港33.5%で、金額では神戸港32.0%を占めている。四国全体でみても、各県ともに神戸港が多い。金額べースでは神戸港が多数を占めており、輸出貨物に関しては四国地域は神戸港の勢力圏にあるといえる。山陽地域では、広島・山口の各県ともに、数量では地元港が金額では神戸港が多い。大分は神戸港の影響が少なく、四国とはやや傾向が異なっている。

一方、愛媛県に輸入される貨物では、三島川之江港が数量べースで22.9%、金額で10.3%、新居浜港が数量13.9%金額30.1%、松山港が数量2.7%金額8.3%など、県内港も利用が多い。

愛媛県の輸入貨物の品目は、ウッドチップ、パルプ、木材、石油製品、鉱石など、一次産品が主体であり、容積・重量のかさむ貨物では専用船を用いた大量輸送が有利であるため、地元港を利用する割合が高くなっているものと思われる。

■愛媛とその周辺の海上輸出入貨物の取り扱い港別シェア(輸出)   単位:%
  数量ベース 金額ベース
1位 2位 3位 1位 2位 3位
愛媛県 新居浜港

33.5

神戸港

21.2

今冶港

20.3

神戸港

32.0

今冶港

32.0

大阪港

14.5

香川県 坂出港

57.7

宇野港

36.1

詫間港

3.6

坂出港

40.9

神戸港

30.2

詫間港

14.8

徳島県 神戸港

 

大阪港

45.9

徳島小松島港

7.4

神戸港

72.6

大阪港

19.0

松島小島港

7.4

高知県 須崎港

89.8

高知港

8.8

神戸港

1.8

神戸港

60.4

須崎港

21.4

大阪港

11.5

広島県 福山港

37.0

神戸港

14.8

大阪港

10.4

神戸港

34.1

広島港

23.9

大阪港

11.3

山口県 宇部港

34.5

徳山港

32.7

不開港

9.6

神戸港

18.9

徳山港

12.9

宇部港

1.9

大分県 津久見港

62.6

佐伯港

19.7

大分港

15.7

大分港

40.9

門司港

19.0 

津久見港

6.1

資料:輸出入貨物物流動向研究会「輸出入貨物に係る物流動向調査」平成8年3月
   平成8年3月の1週間の貨物について調査したもの。

 

 

 

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