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2.6 機関室機器モジュール

2.6.1 設計方針
機関室機器モジュールは、機関室の工法に関して、工期短縮や建造コストの低減を第一義とし、国内各造船所における共通性を狙ったものとする。
各モジュールはディジタル型分散制御により完結型とする。
モジュールの一括搬出入が可能な構造とする。
2.6.2 仕様決定の理由
内航近代化実証船においてモジュール化の対象とした機関室機器を以下に示す。
(1)冷却海水ポンプ
(2)ビルジ・バラストポンプ
(3)冷却清水ポンプ
(4)清水ポンプ
(5)空気圧縮機
(6)潤滑油清浄器
これらの機器をモジュール化するにあたり、設計方針を踏まえて仕様を検討した。
個々のモジュールの果たす機能は後述するものとし、ここでは各モジュールに共通する仕様を述べる。
?モジュールは一括搬出入が可能な構造とするために、1フレーム上にモジュール構成機器を配置するものとし、かつフレームの大きさは輸送時のハンドリングを考慮して、標準的なトラックの荷台の幅・奥行きに収まるものとした。フレームより突出する部分については、輸送時に取り外せるようにした。
?運用時のメンテナンスを考慮して、フレーム上での機器の配置は極力2次元的に展開した。これは、3次元的に配置すると外観はコンパクトになるものの、修理等が必要になった場合、対象とする機器以外の付近の機器をも取外しおよび復旧の必要が生じ、作業が煩雑になるからである。2次元的に配置することにより、対象機器のみの対応と作業スペースの確保が可能となるようにした。
?制御パネルは機関室内の通路に面し、かつ、メータ等は目線位置になるようにした。
?ポンプ類はモジュールの設置方向に制約を与えないように、立型に配置した。
?外部の配管との接合部はフランジをアダプターにして自在化した。なお、モジュールと本船側との配管取り合いおよび機関類との取り合いは、原則としてゴムホースにて行うものとしたが、要件を満たすゴムホースが入手困難であることから、従来通り鋼管にて対応することとなった。
?海水温度と海水必要量の変化に着目し、海水ポンプを中心として、省エネルギー(効率化)および機器類の保守の容易さを実現するために、インバータ駆動方式の海水ポンプを採用することとした。

 

 

 

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