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2.2内航船近代化の目標と基本仕様

今回の事業は船主と造船所の間で具体的に建造される499型内航船を用いて、多くの内航船に共通する機能の部分について、設備の近代化を達成し、その実績を実証することを目的とする。つまり、内航船の近代化を達成するために、ワンマン運航が可能なブリッジ、MOレベルでモジュール型の機関室、快適な居住区という通常は船尾に配置されている共通的な機能部分について近代化を試みる。船型主要目等の船体の主要部は建造する船の目的に応じて決定され、異なるけれども、ここで取り上げる機能部分は多くの船に共通して適用できるものである。また、各般毎の仕様の多様化に対応するために、要素機能の標準化という方法を採用し、組み合わせで機能仕様の選択幅を確保する方法を試みる。
(1)統合操船ブリッジ
操船システム近代化の目標
?基本としては、港内、輻輳鞍海域を含めてブリッジ内の操船のワンマン化に対応可能な仕様を目指すが、必要に応じてツーマンにも対応可能とする。
?支援システムと人間の相補的分担により、永年の経験が必要な操船者の熟練に過度に依存しないで操船可能で、従来以上の安全性が確保される。しかし、新しいシステムの理解と習熟については適切な訓練などの機会を配慮をする。
?アクチュエータとその制御方式を工夫し、荒天時の耐航性、港内での操船性を改善して、定時性等の向上を図る。
操船システムの基本仕様
?ワンマン化に対応する操縦室配置一ヶ所で必要な情報の入手と操作が可能な配置とする。操船者の常駐位置から広い視界が確保できる配置とする。広い窓にはワイパーを設置する。
?情報の加工と集約表示DGPS、電子海図、レーダ情報を結合して、重畳表示する。その他の操船情報もCRTべ一スに集約表示する。
?自動船位誘導技術
通過すべき位置の指定による自動船位誘導
(この機能により操作のタイミングを決める負担を軽減し、人間への負担が集中することを軽減する。)
?避航支援システム
船位誘導時代に対応して、衝突・座礁防止の判断に対する支援を導入する。
予定航路帯における衝突と座礁の危険度表示を行う。
予定航路上での障害物からの航過距離表示を行う。
音声を用いた危険の警告を行う。

 

 

 

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