日本財団 図書館


 

4.GPMEの利用方法

4.1FLの構築サポート

通常のプログラム開発では、以下の2つの作業フェーズを幾度か繰り返し行うことによりプログラムは完成される(図4.1−1参照)。
(1)プログラムの記述:あらかじめ定められた記法で(通常は文字によるプログラミング言語により)プログラムを記述する。記述に問題がある場合にはすでに記述された個所を変更する。
(2)記述されたプログラムの検査:作成されたプログラムが仕様通りの動作をするか検査する。
もしも仕様通りの動作をしないのであれば、その原因がプログラムのどの部分に起因するかをつきとめ、「プログラムの記述」に戻る。
GPMEでのFLの構築も同様に2つのフェーズの繰り返しにより行なわれるが、各々のフェーズの作業がより容易になるように、2つのツールによるサポートを行うこととした。
プログラムの記述:通常のプログラム開発では、プログラムは文字により記述される。しかしながらGPMEではOntoToolと呼ばれるツールを開発導入し、その骨格の部分についてはOMT記法と呼ばれる記法により図により記述できるようにした。記述された図は、情報を損なうことなくC++コードに自動的に変換される。同種の汎用的なツールは既に存在するが、OntoToolでは記述された情報をほぼ全て利用し安全なコードを出力するために役立てていること、FLという特殊なプログラムの構築を容易にするため幾何形状を表す属性についてのサポートを強化していることなどが、その優位点である。
記述されたプログラムの検査:OntoToolにより記述されたFLのインスタンスは、みな、オブジェクト指向データベースに格納されるようなコードとなる。よって、このFLの検査を行うためには、このデータベースのインスタンスの状態を容易に表示できることが基本的に重要である。GPMEではこのインスタンスの表示のためにProdToolというツールを導入した。このツールではデータベース中のインスタンスをグラフィカルなユーザインターフェースによりアクセスすることができ、表、グラフ、図などの形式により表示することができる。また、検査の結果の正当性の確認のためなどに、データベースの変更、すなわち、インスタンスの値、関連の変更も可能である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION