はじめに

本報告書は、モーターボート競走公益資金による日本財団の平成8年度補助事業として実施した「組立産業汎用プロダクトモデルの開発研究」をとりまとめたものである。

当財団では我が国造船業の競争力向上や魅力ある近代産業への変革に資することを目的として平成元年度からモーターボート競走公益資金による日本財団の補助により、造船業CIMに関する開発研究事業を開始した。関係各位のご努力により平成5年度にはCIM構築の基礎となる「フレームモデル設計書」が完成し、これに基づいて造船各社ではそれぞれのCIM化を進められるまでに至った。その後、各社のシステムの共通部分を増やして日本造船業全体のCIMの開発効率を高める方策を検討し、造船業だけでなく自動車産業や建築業などの組立産業全体用として、それぞれのプロダクトモデルを効率良く容易に構築できる組立産業汎用のプロダクトモデル構築支援環境（GPME：General　Product　Modeling　Enviroment）の提供が有用であると確認され、平成7年度からはGPMEの開発研究を実施してきた。

本年度は、本開発研究の最終年度として、その成果物であるソフトウェアパッケージ「GPMEバージョン1.0」を完成させた。このGPMEが組立産業の今後のCIM構築において広く普及、使用され、我が国造船業をはじめ組立産業全体の次世代情報システム化を促進する一助となり、我が国産業の近代化に資することができれば幸いである。

本事業は、東京大学小山健夫教授を委員長とする「組立産業汎用プロダクトモデルの開発研究」委員会の各委員を始め、同ワーキンググループの各委員、ならびに南カルフォルニア大学の金雁（JinYan）助教授、その他多くの方々のご熱心なご審議、ご指導により完遂されたものであり、これらの方々に対して心から感謝の意を表する次第である。

平成9年3月

財団法人シップ・アンド・オーシャン財団

会長　今市憲作

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