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第4章 エンジン試験結果

4.1 260mm試験エンジン(第1ステップ)

 

1)機関性能
・本機関ではじめて採用したミラーサイクルにより、目標の出力率309を達成することができた。
・シーケンシャル過給方式により、低負荷時においても必要な性能を確保することができた。
・可変バルブタイミング機構を開発した。
・目標出力時(出力率309/8,720PS/1,320rpm)の燃焼最高圧力は、約154kgf/cm2にとどまり、クランク軸の強度から上限値と考えられた160kgf/cm2以下とすることができた。(図103)
・給気圧は、目標としていた4kgf/cm2以上に比べ、若干低い約3.8kgf/cm2となった。
・排気温度は約650℃となり、サイクルシミュレーションで予想された温度よりも高い傾向となった。
・NOxについては、約500ppmとなり、環境規制値の950ppmの約半分であることから、ミラーサイクルがNOx対策の上で非常に有効であることが確認された。
・シリンダヘッドの温度は、最も高い排気弁一排気弁間が約350℃であり、問題ないことがわかった。(図104)
・シリンダライナの温度は、排気弁一排気弁側が最も高いが約350℃であり、問題ないことがわかった。(図105)
・吸気弁の温度は、燃焼室中央部が最も高く約400℃であり、シート部の温度は約350℃である。
また、中実と中空はほぼ同じ温度であった。(図106)
・Na封入排気弁の燃焼面中央部の温度は、約490℃であり、中実の約540℃に対し、約50℃低くなっている。
シート部の温度は、中実が約500℃に対しNa封入弁は約450℃であり、約50℃低くなっている。(図107)

 

 

 

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