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第2章 新型高速内航船用機関の開発実施項目

 

本研究開発は最終開発目標であるシリンダ径320mm試験エンジンにおいて、シリンダ当り出力1,045PS、出力率390(従来はシリンダ当り出力500PS、出力率187であり2倍以上の出力上昇)の達成および低NOx化の実現と、超軽量・コンパクトなプロトタイプエンジン設計用のデータを採取するため、シリンダ径の異なる2種類のエンジンを使用し、3段階の開発ステップを採用する。

 

平成6年度は第1ステップ(シリンダ径260mmエンジン)前半、
平成7年度は第1ステップ(シリンダ径260mmエンジン)後半と第2ステップ第1ステージ(シリンダ径320mmエンジン)、
平成8年度は第2ステップ第2ステージ(シリンダ径320mm)を実施する。

 

この理由は、
(1)出力率390という目標が、現在のディーゼルエンジンの水準の約2倍という、かけ離れたレベルであり、かつ、同時に著しい軽量化・コンパクト化(同出力の従来エンジンに比べ重量で1/3、体積で1/5)を達成しなければならないこと。
(2)多岐にわたる研究項目について検討・研究・試験を行う必要があり、最初からプロトタイプエンジン計画時に想定されるシリンダ径320mmの大型エンジンでは、対応困難となることが懸念されること。
(3)シリンダ径が200mm程度の小型エンジンで試験を実施した場合には、スケールファクタなどの問題が大きいこと。

 

このため、シリンダ径320mmより一回りシリンダ径が小さく、回転数の上昇が図りやすい、シリンダ径260mmの中型エンジンにより、第1ステップを行い、様々な知見を得た上で、シリンダ径320mmの大型エンジンにより、第2ステップの開発を行うこととしたものである。
(ピストンスピードの上昇に伴う問題点を第1ステップで明らかにし、第2ステップに反映させる。)(図1、2)

 

 

 

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