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第1章 事業の概要

1.1 補助事業の目的

地球環境保全と我が国の自動車輸送事情(人手不足、渋滞、公害問題など)からモーダルシフトは時代の要求であり、積極的な取組が必要である。モーダルシフトには内航船の高速化が要求され、そのためには新しい船型、船体の軽量化および搭載機器の軽量・高効率化が必要で、なかでも主機関には従来にない大出力の高速機関が求められている。
本研究開発は、新しいコンピュータテクノロジ、新素材技術などを用いて、現市場にない軽量・大出力の高速エンジンの開発を行うこと、および本機関を搭載した新型高速内航船を就航させることにより、海上交通、輸送の利便性の向上を図るとともに、このクラスの船舶と高速エンジンの需要を創出し、造船技術とその関連工業技術のレベルアップに寄与することを目的とする。

 

1.2 補助事業の内容

新型高速内航船用機関開発の背景
本研究開発は、300〜500tの積載量で、35〜40kmの船速を出す高速内航船を想定し、その主機となる単機出力10,000PS級の大型高速エンジンを研究開発するものである。
現在、ワールドワイドで開発、または実用化されている高速エンジンは、単機出力8,000PSまでと小さく、一方出力が大きい中速エンジンでは重量が重く、船速アップに対して適していない。
そのため、出力10,000〜16,000PSで、重量2.9kg/PSクラスという、世界にも類を見ない超軽量高出力型(従来の中速エンジンと比べて出力レベルで約2倍、重量で約1/3、占有体積で約1/5)で、かつ、低NOxの大型高速エンジンの開発研究を行う。

 

 

 

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