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はじめに

 

近年トラック輸送において、ディーゼル車より排出されるNOx等の環境問題、都市部における慢性的な道路渋滞等、陸上における物流の制約的な要因が顕在化してきていることから、国内物流におけるもう一方の担い手である内航海運が陸上輸送に匹敵する輸送モードとして期待されていると共に、今後の陸・海・空の連携による複合輸送システムの構築の面からも、海上輸送の高速化は社会的なニーズでもあります。
このような海上輸送に対する高速化のニーズに対応するためには、新しい船型の開発、船体の軽量化及び搭載機器の軽量・高出力化が必要であり、中でも、特に主機関の軽量・高出力化が求められています。
しかしながら、現在の市場にはこの要求性能を満たすディーゼルエンジンが存在しないことから、当財団では、モーターボート競走公益資金による日本財団の補助事業として「新型高速内航船用機関の開発」を平成6年度から3年計画で実施し、300〜400tの積載量で30〜40ノットの船速で巡航できる高速内航船を想定した、単機出力10,000PSクラスの超軽量、低NOx型の大型内航船用機関の開発研究を進めて参りました。
この度、3年間に亘る開発研究を終え、ここに報告書としてとりまとめました。
本報告書が造船技術、造船関連工業の発展の一助となれば幸いに存じます。
最後になりましたが、本事業の実施にあたりましては、神戸商船大学緒方一彦教授を委員長とする「新型高速内航船用機関の開発委員会」の各委員の熱心なご審議、並びに関係各位のご協力を頂き、心から感謝の意を表する次第であります。

 

平成9年3月
財団法人シップ・アンド・オーシャン財団
会長 今市憲作

 

 

 

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