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6.まとめ

近年、地殻構造解明や海底銀物資源の調査等地球物理的な総合観測研究および海底堆積物、深海バイオテクノロジー等の海洋生物ないしは微生物の研究、更には地球温暖化に端を発生したCO2の挙動調査等の地球・海洋環境をテーマとした深海研究ニーズが多様化してきており、これらの調査・研究には長期間にわたる時系列的な調査を海洋の広範囲にわたって行うことが要求されている。
調査の手段としては、有人潜水船や無人潜水機が考えられるが、長期間にわたり広範囲な調査となると、その調査を連続的に行うために必要な海中動力源が必要となってくる。有人潜水船や無水潜水機に搭載する海中動力源に対しては、有人潜水船や無人潜水機のハンドリング、推進効率等を考慮すると動力源システムが全体として小型で軽量であることと、音響機器を使っての調査観測にとって低騒音型のものであることが望まれる。
これらの要求条件を満足する大深度長期高効率海中動力源システムの開発が急務であるとの認識にたち、本システムの研究開発に取組むこととした。
海中動力源としては、鉛電池、亜鉛電池、ニッケルカドミウム電池、鉄・ニッケル電池等の二次電池が用いられているが、船体規模や浮力面さらには運動性能面等における制約から搭載可能な電池システムとしては、規模的に限界があり、その結果連続使用時間が限られ1日1回数時間程度の、しかも限られた局所的な調査活動を余儀なくされ、長期にわたって広範囲な調査活動を行うための動力源としては不向きと考えられる。
そこで低騒音型の動力源としては、外燃式機関であるスターリングエンジンが適当であるとの考えから、機関本体に外燃式のスターリングエンジンを採用し、この外燃式機関本体および発電機から構成される機関ユニットを中心に、動力源システムとしての全体効率を向上させるため高圧燃焼・排ガス液化排出型の動力源システムを新たに構築し、本システムの開発に取組むこととした。
(システムの基本構成)
本システムの基本構成は、外燃式機関本体および発電横から構成される機関ユニットを中心とし、燃料タンクおよび燃料ポンプから構成される燃料供給装置、酸化剤タンク、酸化剤ポンプおよび酸化剤予熱器から構成される酸化剤供給装置、CGR(Combustion Gas

 

 

 

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