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5.3諸外国での建造船との比較

(1)まえがき
本研究開発にて検討した動力源システムを搭載した実船システムを、実際に建造された潜水艦及び他文献等で検討された潜水船と比較し、潜水船システム概略規模について検討した。
(2)諸外国での建造船との比較
現在までに我が国で、実際に運用されている海洋調査用潜水船システムとしては、海洋科学技術センターのしんかい2000及びしんかい6500があげられる。また、他に、有人潜水船システムとしては、防衛庁で運用されている潜水艦、潜水艦救難用潜水艇(DSRV)および民間では観光潜水船などがあげられるが、ここでは調査研究を目的とした潜水船に対象を絞ることとする。
一方、外国においては、アメリカのBENFRANKLIN、フランスのSAGA-Iが実際に建造され運用されている。
有人潜水船システムに関する検討は、科学技術庁をはじめ、海洋科学技術センター、深海技術協会等で行われており、1週間から1ヶ月程度の長期運用を目的とした有人潜水船の検討がなされている。また、その動力源についても、スターリングエンジンを始め、原子炉、燃料電池等が検討されている。
これらの有人潜水船について、その行動期間、潜航深度、乗員数、船体規模等を表5.3.1にまとめた。これらの有人潜水船と本研究において検討したスターリングエンジン搭載潜水船システムとを比較した。図5.3.1は潜航深度と滞在日数をそれぞれ縦軸、横軸にとり、潜水船の全長と重量を比較したものである。図5.3.1から、有人潜水船の規模は、乗員数により大きく左右され、乗員数が多いと当然船体規模も大きくなることがわかる。また、潜航深度が大きくなるに従い船体規模も大きくなる傾向がある。
行動期間からみるならば、行動期間はライフサポート期間をどのように設定するか、また居住性等をどこまで考慮するかにより多少条件が異なるものとなるが、行動期間より潜航深度、乗員数が、潜水船規模を大きく左右する傾向がある。

 

 

 

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