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る。高圧ヒータにおいてもこの傾向は存在すると仮定して試算したものが、図4.3-9である。この試算に当たって使用したヒータの仕様を表4.3-1に示し、物性値を表4.3-2に示す。この結果、5MPaと7MPaでのエンジン出力は殆ど同じであると推定される。
c.推定法3
図4.3-9Aは圧力を少し変えた時のエンジン出力を示す。いわゆる5MPaはゲージで50〜51kg/cm2設定に対し実際は51〜53kg/cm2の範囲で変動しているが、これを46〜48k9/cm2設定に変えた時のデータである。
その差は、僅かに0.1〜0.2kwであり、この付近での最大圧力差7kg/?2でも出力に差は現れていない。
このことから5MPaと7MPaでも出力に大きな差はないとの推定は、ある程度妥当である。
(4)凝縮・排出組合せ試験結果
図4.3-10は模擬ガスを使用しての凝縮試験時のもので凝縮水と凝縮炭酸ガス排出ポンプの運転状況を示す。排出ポンプの吐出圧力は33MPa程度に設定しポンプは停止と運転を繰り返している状況がわかる。一方、図4.3-11は両方のポンプが連続して運転している状態である。これらから排出ポンプは凝縮系が正常に作動する限り問題なく運転を行い、且つ制御系も現状のまま実用化できることを確認した。
(5)負荷制御試験
a.燃料投入速度試験
最初にスターリングエンジンが1800rpmでアイドリングしている状態で燃料を50%負荷相当分の灯油量を時間を変えて投入させた時、出力として安定する時間を試験した。図4.3-12に灯油投入時間を30秒程度と6分の二つ変えた状況を示す。
投入が早いほどヒータメタル温度が早く立上がり出力始める。メタル温度は650℃でアイドリングしているが、これが700℃程度に達するといずれの場合も出力を開始している。しかし、目標の80%程度の出力に達するにも10分程度、安定までには12分程度の時間を必要とする。これは試験燃焼系の熱容量が大きいことが主たる原因であり、ヒータを含め燃焼系のコンパクト化だけでは大幅な改善は不可能である。従って急激な負荷変動を要求するにはバックアップの電池を含むシステムとしての対応が必要になる。
4.3.4評価
スターリングエンジンを高圧燃焼器に装着すると共に排ガスを凝縮・排出系に接続し一体となって運転可能な事を確認し全体システムの目標を達成した。また、エンジン出力試験では5MPaにて20.6kwの出力を得た。これは7MPa圧力下で20kwを越える出力が予測されることから5〜7MPaのいずれの圧力に於いても出力的に問題ないことを確認した。
一方、全体システム自体は、個々の装置を試験用に設計しているため、全体系としては熱容量が大きく出力の応答性は不十分であった。しかし、実用化の際は燃焼系のコンパクト化設計に加え、ラインのボリウム削減を図るほか電池を含め

 

 

 

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