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4.3.3試験結果
(1)エンジン出力試験
燃料量を6.2kg/h(80%)〜9.6kg/h(123%)まで増量させた時の性能値を図4.3-4に示す。
当初考えていた定格燃料量7.8kg/hでは、
1800rpm×11kw
1500rpm×16kw
であり目的の20kwに達していないので110%〜115%〜125%負荷相当の燃料量の投入を行った。本試験での最大燃料量はヒータメタル温度の制限ではなく、ここには示していないが、旋回流を形成させているガス噴出筒に設置している36のガス噴出孔メタルの溶融する目安温度である900℃が先に到達した事で制限した。(図4.3-6参照)
この制限値での到達出力は、
1800rpm×18kw(ηe=15.7%)
1500rpm×20.6kw(ηe=18.6%)
である。この場合のヘリウム圧力PH、も限界の8.5〜8.7MPaでの運転を実施しており、この出力値がこの試験での出力限界と判断できる。
この試験中の各部の温度の状態を図4.3-5と図4.3-6に示す。
20.6kw出力時の上部ヒータの温度THm=760℃
下部ヒータの温度THm=680℃
である。この温度測定結果は、上下の平均温度差が80℃に抑えられており先に示した模擬ヒータ試験での目標値に沿ったものとなった。
(2)ヒートバランス
本試験装置を使用する全体システムにおいて、燃料入力100kw付近のヒートバランスを参考までに試算する。今回の全体システムではCGRファンがないため、排気の75%を棄て、25%を凝縮系に取り込んでいる。このためCGR比が3の場合は排気損失が4倍となる不具合が生じるが、これは実船と異なる試作システム特有のもので何等問題になるものではない。
試験結果を次に示す。
燃料火熱:98.9kw
エンジン出力:17.6kw(熱効率:17.8%)
冷却水放熱量:17.5kw
排出熱量:46.8kw
放熱損失:17.0kw
となり、本試験システムは常圧仕様(熱効率22%)に比べ熱効率が0.2ポイント程度悪化している。この主原因は放熱損失の大幅な増加とヒータ容積の増加分と考えている。これに加え、コンプレッサーブロックを機械加工に変更した事により、ヘリウム通路損失が増加し線図効率が低下した事が2次的原因である。しかし、この放熱損失は燃焼室が固定したため燃焼器全体を2/3〜1/2程度に短縮可能な上、断熱材構造の変更により50%の削減が図られる見通しを持っている。また、

 

 

 

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