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5.あとがき

3年間に亘る調査研究において、工学と医学の共同研究による困難さはあったが、両者よく補完し合って短時間で乗り物酔いの基礎的要因の端緒に踏み込むことが出来た。しかしながら、漸くその入り口に立つことができただけで、今後継続的に研究を進める必要がある。本調査研究は船酔いを対象にしたが、最近、陸上でも超高層ビルの建築中作業員が酔いを感ずることが報告されている。船と同様の低周波動揺の影響であろう。長期滞在する海洋構造物を考えると、動揺刺激は非日常的なものではなく、日常的なものになる。このように本調査研究でとりあげた問題は、ただ単に船の乗り心地だけでなく、多くの社会問題に発展しつつある。本調査研究はその先鞭をつけただけであると考え、粘り強い研究の継続が望まれる。

最後に、重ねて運輸省、日本財団、関係各位のご指導、ご協力に感謝する次第である。

 

 

 

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