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6.高性能フラップ舵

ナカシマプロペラ(株)

技術本部 栄 泰道

1.目 的

 

 現在、IMO(国際海事機構)において、海難事故防止、船舶の衝突損傷による海洋汚染防止等の観点から船舶の操縦性能にきめ細かい基準が暫定的に策定されている。国内的には、乗組員の高齢化・不足の危機が叫ばれ、こういった背景のもとに操船システムの近代化が押し進められている。
 これらの動きの鍵になるのは高い操縦性能を与え得る高性能舵で、緊急に開発が要求される。このため、上記要求に対処するものとして、高揚力を得るために舵上下端に端板を有し、さらに抵抗の少ない翼断面形状をもった高性能フラップ舵の開発を目指して水槽試験を行い、さらに、これらの性能および強度を推定するための計算手法確立を目標として調査研究を行った。
 本調査研究は図1に示すように、大きく二つの柱を基に進めた。即ち、最適な舵断面形状、上下端板形状を求めるための「舵水槽試験」および将来の舵設計手段として有力となるであろう「計算手法」の確立を中心にして調査研究を行っていった。ただし、後者については本調査研究を機に改良発展させていき、精度上の追求は今後の課題とするというスタンスで取組んだ。

 

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