日本財団 図書館


 

セッション?V

「中国における人口・水資源」

 

「中国における人口・水資源・開発」

 

中華人民共和国全国人民代表大会
教育・科学・文化・公衆衛生委員会副議長
AFPPD副議長
ハオ・イ・チュン

 

議長:桜井新議員(日本)

 

ハオ・イ・チュン議員:
水が限りある資源であることは認識されています。現在、程度こそ異なるものの、アジアの多くの国々や地域が水不足に苦しんでいます。したがって、私たちがこの美しい神戸で一堂に会し、人口・水資源・開発について意見を交換することは、私たちにとって重要なことであります。
中国は水資源が乏しい国です。現在、合わせて2兆8,100億?q3近い淡水を保有していますが、人口1人当たりの量は世界平均の4分の1に過ぎず、世界で108位という位置にいます。また、水資源の分布にも偏りがあり、中国南部には水が豊富で農地も少ないのに対し、中国北部では水が少ない上に農地も多くあります。一般に、長江流域およびそれよりも南の地域には、中国にある水資源の80.4%が集中しており、全国人口の53.5%が住み、農地の35.2%があります。これに対し、長江から北の地域の水資源は、全国のわずが19.5%に過ぎないのにもかかわらず、全国人口の46%が住み、農地の64.8%があります。
さらに、中国東部では、降雨量が年間を通してだけでなく、年によっても大きく異なります。そして、モンスーン気候の影響により乾季と雨季が交互にやってきます。そして、降雨量と川の水量が季節や地域によって大きく異なるため、洪水や干ばつが頻繁に発生します。1949年までは、2000年以上の期間にわたって中国では大規模な洪水や干ばつが2年おきに発生していました。
中国政府は、水資源の保護、活用、開発をとても重視しています。1949年以降、政府は水の貯蔵、分水、水の汲み上げなどのプロジェクトを数多く実施し、農業用水や水力発電、そして生活や産業で利用する水を少しでも多く供給することを心がけてきました。また、水上交通を拡大し、浸水を防ぐ能力を高めてきました。1993年にはさまざまな水資源保全事業によって全国総量の19.1%にあたる5,255億?q3の水が確保されています。40年を超える努力により、水資源の開発と利用において中国はすぐれた実績をあげています。たとえば、長江や黄河といったいくつかの大河は、工業生産や人々の生活用の水資源として確保されています。また、それは安定した持続的な発展

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION