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セッション?T

「人口と開発に関する研究-研究発表と討議-」

「アジア諸国の都市化と開発調査-フィリピン国-」

日本大学人口研究所名誉所長
黒田俊夫
議長:プラソップ・ラタナコーン議員(タイ)
議長:
黒田先生は、AFPPDとも設立当初からお付き合いを頂いています。昔からの私の友人でもあり、昨年は米寿を迎えられたということで、大変におめでたいことだと思います。私も先生に真似をして、近い将来は二人で百歳のお祝いをしたいと思っております。
それでは黒田先生にお話をお願いしたいと思います。人口と開発の調査の報告としてアジアの都市化と開発調査についてフィリピンの事例をお話し頂きます。それでは黒田俊夫先生、お願いいたします。
黒田:
フィリピンで行いました昨年の調査についてご紹介いたします。都市化と開発というテーマで、フィリピンについてお話をするわけですが、その前にごく一般的かつ総論的な話をさせて頂きたいと思います。
もうご覧になった方も多いと思いますが、国連人口基金が昨年出版した世界人口白書1996(State of World Population 996)は、国連人口基金が世界の人口について出版している年次報告で、本年は都市化に焦点を当てています。つまり、国連も都市化について特に危惧の念を示しているということです。
今日はフィリピンの都市化を中心にお話しいたしますが、この国連人口基金の報告書を見ても、やはり都市化の問題が国レベルに限らず、世界レベルの人口、世界の状況を考える上で極めて重要だということがわかります。そしてこの年次報告には、都市部でどのように人口が増加しているか、都市の規模や人口分布がどうあるべきか、また都市と地方を結び付けるためには農村部との連携をどうすべきか等の対応策も含まれていて、極めて包括的にすぐれた報告書となっています。是非ご一読頂きたいと思います。
さて今お話ししましたように、私達は地球規模的な都市化について注目をしなくてはならないのですが、実はこの問題はあまり取り上げられていません。ただ都市化ということだけでなく、地球規模的な都市化という新しい状況が生まれているのです。

 

 

 

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