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挨拶

国際人口問題議員懇談会会長
中山太郎
代読:谷津義男国際人口問題議員懇談会副幹事長
谷津でございます。実は、中山会長が韓国大統領との会談のため急遽、韓国を訪問する事となり、この会場に来ることができません。メッセージを預かってまいりましたので、代読をさせていただきます。

 

貝原俊民兵庫県知事、笹山幸俊神戸市長、桜井新人口と開発に関するアジア議員フォーラム議長、前田福三郎財団法人アジア人口・開発協会理事長、ナフィス・サディック国連人口基金(UNFPA)事務局長、V.T.パラン国際家族計画連盟(IPPF)東・東南アジア・オセアニア地域局長、各国代表の国会議員の皆様、ご参集の皆様。第13回人口と開発に関するアジア国会議員代表者会議開催をお慶び申し上げます。今回の会議のテーマは「人口・水資源・開発」であると伺っております。「水」の問題をこの会議で取り上げられると伺ったとき、これはまさしく時宜を得たテーマであると思いました。
生きとし生けるものにとって「水」は不可欠なものであります。いま、この「水」が大変な危機に瀕しています。人類の未来を制限するさまざまな要因の中で、水=淡水資源は、地球上で最も早く枯渇する資源であると言われています。
地球上の水の量は変わらなくとも、地上の生命が生きていく上で必要な淡水が、汚染や過剰使用によって利用できない水へと変わりつつあるのであります。この水なくしては、食料生産はできません。仮に飲み水の不足までいたらなくとも、人類が生きていく上で不可欠な食料を生産することができなくなったら、どうなるのでしょうか。
人口の増加は、飲み水ばかりではなく、食料生産、工業活動、生活スタイルの変化等に伴う水の大量消費をもたらし、人口増加以上の水の需要を生み出しています。
事実、私たちの主食である穀物を1t作るのに淡水が1000t必要と言われております。世界の穀倉地帯でも、穀物生産を行う上でこの淡水の不足が、最も大きな生産の制約要因となっております。すでに農業用水の過剰使用によって、春から夏にかけて黄河の川底が干上がったり、アメリカのコロラド川の水も、農業用水の汲み上げによって、カリフォルニア湾まで届かなくなっている、と言われております。まことに深刻な事態であります。

 

 

 

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