日本財団 図書館


 

挨拶

人口と開発に関するアジア議員フォーラム議長
桜井新
笹山幸俊神戸市長、中山太郎国際人口問題議員懇談会会長、前田福三郎財団法人アジア人口・開発協会理事長、ナフィス・サディック国連入口基金(UNFPA)事務局長、V.T.パラン国際家族計画連盟(IPPF)東・東南アジア・オセアニア地域局長、各国代表の国会議員の皆様、ご参集の皆様。
第13回人口と開発に関するアジア国会議員代表者会議開催にご参集賜り厚く厚く御礼申し上げます。また、神戸は2年前、激しい震災に見舞われました。この震災で被災された皆様には不安ももどかしさもおありでしょうが、どうぞ頑張って下さい。また、私はこの神戸の目覚しい復興を目の当たりにして、神戸の皆様の想像を絶するご努力にただただ敬服いたしております。
この、神戸を襲った阪神淡路大震災は人間の努力では防ぐことのできない天災でした。人は全知を傾け、その被害を最も小さいものとするべく努力を行い、後はただこの自然の暴力に対して身をすくめ、その通り過ぎることを祈るしかありません。人にできるのは、この苦難を乗り越え、新たな希望を見出し生きていくことです。
人間はこの地球の限界を超えて生きていくことはできません。私たちは、この地球と運命を共にしております。人類が生きていく上で必要不可欠な食料生産の伸びは低下してきております。今後20年位は食料供給が可能である、との展望がありますが、その後は増え続ける人口に対して食料が不足する、と考えられております。
未来を希望のあるものとするために、私たち国会議員はこの問題に真剣に取り組まなければなりません。こうした問題意識から、昨年私たちAFPPDは、世界の人口と開発に関する国会議員グループに呼びかけ、「国際食料安全保障・人口・開発議員会議」をローマの食料サミットに先駆けて、スイスのジュネーブで開催いたしました。
この決議は公式に食料サミットでも配布され、私どもの同僚である藤本孝雄農林水産大臣の手で、総会の席上でも紹介されました。
本年度のAPDA会議のテーマは「水と食料」です。
我が国日本は古来より水に恵まれ、その恵みを生活の中に生かしてきました。私たちの先祖は、営々として、きれいな水を守るための努力を続け、環境と調和して、生きてきたのです。
現在、世界的に見ると、この「水」が逼迫してきております。ジュネーブの会議でもアフリカ中東議連のある役員から、1970年代は石油をめぐって中東地域で戦争が起きたが、今度起こるとしたら、「水」をめぐってである、という不吉な予言を聞きま

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION