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3.2.2供試船
供試模型船としては、操縦性能に対する改良のニーズが大きいVLCC船型を用いることとし、最新のVLCCに近い主要目と船尾形状を持つ船型を母型とし、この船型を修正し、船尾フレームラインが大きく異なる2隻の模型船を作成した。
1隻は船尾断面形状がV型のA船型であり、もう1隻はU型のB船型である。このA、B船型は、操縦性能に及ぼすフレームラインの影響が明確に出てくるよう、平均的なフレームラインからはやや極端なV型、U型となっている。
このA、B船型についての模型実験結果は、流場、流体力、運動の場において、2船型の違いを明確に示した。
そこで次に、実用的船尾形状船型の示す流場、流体力、運動の場での値の把握、船尾形状を実用的船尾形状から変形した場合の流場、流体力、運動の変化の程度を把握するため、実用的なフレームラインに近いと考えられるV型とU型の中間的なフレームラインを持つC船型を作成した。
さらに、操縦流体力推定法の研究を一層進めるため、A、B、C3船型について、船幅を広げたり船長を長くする等した新たな7隻の模型船について、操縦流体力測定の拘束模型試験を行った。
表3.2.2.1にA、B、C3船型の要目を、図3.2.2.1に3船型の正面図を示す。

表3.2.2.1 模型船要目

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表3.2.2.1 模型船正面図

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これら模型実験に用いたA、B、Cの3船型とその変形の6船型(A’、A’d+、A’d−、B’、Cp+、Cp−)が、実際に建造されたVLCCに対してどのような位置づけになるのかを調査した。調査対象の建造実績船は、載貨重量20万トン以上のOilTankerで、1970年以降のVLCC200隻がリストアップされた。
調査結果を図3.2.2.2に示す。母型のA、B、C3船型は、調査船型群のおおよそ平均的な位置にある。

 

 

 

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