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5.4 トランスポンダシステムの構築

平成6年度のアンケート調査の結果、操船者の多くが船舶間における意志伝達手段を欲していることが明らかになった。そこで、本研究において船舶間通信手段として航海支援装置の将来像を想定しトランスポンダを採用することによって、自動運航システムによる操船の対象群と位置付けることにした。
現実的なシステム構築のため、第7基準研究部会「国際規則と船舶設計等との関連に関する調査研究」成果、IMO航行安全小委員会の審議、ITU(International Telecommunication Union)の勧告を調査し、その内容に沿ったシステムを構築した。
一般に、トランスポンダは「Interrogater(質問機)/Transponder(応答機)」として扱われているが、供試システムでは自船の情報を一定の間隔で自動的に送信するブロードキャスト・タイプを想定し、実験開始前に設定したシナリオを他船情報としてファイル化し、これを表示するシステムとした。また、その操作は自動運航システムと同じタッチパネルを採用し、操作性を統一している。
供試システムの画面を図5.4.1に示す。供試システムで表示するのは以下の情報である。
(a)選択した船舶を確認するための情報
?Target No.,?Bearing、?Range、?Course、?SPeed
(b)対象船舶の固定情報
?ShiPcode、?ShiPname、?ShiPtype、?Length、?Width
(c)操船意志を表わす情報
?Nextport、?操船意志(航路内航行、航路への合流・横切など)
アンケート調査の結果、今回の操船意志レベルでは操船者は満足しておらず、出航地、寄港地、目的地、変針点、現時点からの行動変化の意志表示を求めていることが明かになった。

図5.4.1 トランスポンダシステム(操作・表示画面)

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