日本財団 図書館


 

4. 研究の内容

研究目標を遂行するため、以下のようなテーマを設定しこれらを相互に関連させながら研究を進めた。

4.1 海難事故の現状と自動連航システム

(1)海難事故発生状況及び原因の調査
海難審判の資料より過去の航海事故の実例とその発生原因を調査する。
(2)各船舶会社の航海事故防止対策の現状調査
各船舶会社や学校がいかなる航海事故防止対策を講じているか調査する。
(3)ユーザー側から見た自動運航システムのあり方
ユーザー側から見た望ましい自動運航システムのあり方について調査、検討する。

4.2 航海情報機器の現状と自動連航システム

(1)文献、ユーザーの使用実績等を対象とした現状調査
現在使用されている航海情報機器、自動運航システム及び新規導入可能な航海情報センサー等の調査を行う。
(2)問題点の摘出、改良及び開発要素の抽出
上記問題点を洗い出し、改良することでより高信頼度の航海システムが得られ、各要素について開発要素を抽出する。
(3)概念設計
交通輻輳海域であっても衝突や座礁事故を予防するために、「余裕を持った的確な情報提供」ができるような自動運航システムの概念設計を行う。

4.3 自動運航システムの構築

自動運航システムを構築するにあたって、人間の機能を大部分代行でき且つ座礁や衝突事故予防に重点を置くことを前提条件とする。先ずシミュレーション評価の対象となる自動運航システムの設計方針を掲げ、それに従って各構成部分と機能について検討し、まとめる。

4.4 トランスポンダシステムの構築

(1)意志伝達手段としてのトランスポンダの利用については、情報伝達媒体の法的規制、技術的課題がある。ここでは、過去の研究成果とトランスポンダの実用化の国際的な動向に関して調査を行う。
(2)トランスポンダの基本設計
トランスポンダを設計するにあたり、基本仕様、構成システム、そこで交換する情報の内容と操作方法の詳細等を検討する。
注)トランスポンダとは、一般的に質問機(Interrogater)・応答機(Transponder)のことで、パルス信号を受信した際これに特殊符号(船舶識別情報、操船の意志等を信号化したもの)を付けて再送信することができ、船舶間のコミュニケーション手段として利用する。

4.5 操船シミュレータの構築

(1)操船シミュレータの基本設計
自動運航システム及びトランスポンダの評価に使用する操船シミュレータの概要と基本仕様、機能について問題

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION