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(5)排気ガス量の算出方法の影響
図4.10に各風景(排気ガス量)算出方法で求めた結果の比較を示した。図はカーボンバランス法の基準に各方法で算出した結果を比で表している。
カーボンバランス法及び酸素バランス法のいずれで求めた値も、通常、機関メーカが陸上試験で実施する計量用のオリフィスやノズルを用いての計測でISOが認めている5%の誤差の範囲内にあることが確認された。

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図4.10 風量計測法の違いによる排ガス量の比較

(6)湿度補正の影響
図4.3に示した、C船の就航後第1回計測の結果を用いて検討した、結果を図4.11に示す。この計測では、6日間の運転で冬場の日本から熱帯までの航海を行っており、途中で機関室内(吸気)の絶対湿度値が16g/kgから29g/kgまで突然に変化した。この変化を境に掃気室内の相対湿度を100%として求めた掃気室内絶対湿度の方が低くなり、空気冷却器出口では過飽和に達して水分の凝縮が起こったと推定される。NOx排出率(g/kWh)は、ISOで定めた通り、吸気絶対湿度を用いて補正を行うと、図の○点のように不連続の変化を示したようになったが、掃気室内の絶対湿度を用いて補正を行うと、図の●点のように連続した傾向を示す結果となった。

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図4.11 湿度補正の影響

 

 

 

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