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2.2 面フェリングと制御点について

従来のフェアリング(線フェアリング)は、バッテンを使ってステーション・ライン、ウォーター・ライン、バトック・ライン等を基準に行われているが、Autoshipシステムでは、線及び面の制御点の移動により整合性の取れた船体曲面を創成する。この制御点を自由自在に操作するには、トレーニングを重ね、その性質を理解しなければいけない。

線フェアリングとの大きな違いは、船体を3次元的に処理するところにある。これは柔らかいゴムの表面を指先でつまみ上げ、曲面を変化させることを想像してもらえればよい。その指先で摘んだ位置が制御点であり、上下左右に移動を繰り返し形を整えて行くことが、面フェアリングの基本的な考え方である。しかし、この制御点は与えられたライン上に存在しないことと、フェアリングの基準が面であることから、計画線型との比較が困難になってくる。その手段として、各断面形状をテンプレート(下敷)として用意し、自由に変化する曲面をテンプレートのラインに近づけながら、前後上下との整合性を取って行く。

ここで問題になるのが、結果としてフェアーなのかどうかの判断基準である。当然、小さな画面上で、巨大な船体の表面の滑らかさを判断することは困難である。Autoshipシステムでは、この判断の基準となる機能が幾つか用意されているが、全てをこの機能に依存できるようになるには、現図技術者自らの手で、従来の方法と比較しながら、使いこなして行かなければいけない。

 

2.3

コントロール・ラインとは、船体を特徴づける平面、曲面の境界線を意味する。この境界線の位置、性質を明確にすることが、フェアリング作業を円滑に行う基本的な条件となる。コントロール・ラインは、線型によって本数、性質が異なり一般の線型では次のように分類される。

平面上に存在するコントロール・ライン

BOTOM CENTER LINE

KEEL SIDE LINE

BOTTOM FLAT END LINE

SIDE FLAT END LINE

曲面上に存在するコントロール・ライン

STERN BOX LINE

STEM BOX LINE

FORE R.END L1NE

コントロール・ラインの性質

ナックルで接する

スムーズに接する

 

 

 

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