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6.4 横構造方式漁船の部材寸法

6.4.1 船底構造
漁船の横構造方式の船底構造には、高速艇の場合と同様、3種類の形式がある。第1は肋骨心距をやや狭くし、各肋骨心距毎に肋板を設け、特設肋板を設けないもの。第2は肋骨心距毎の形材による肋板と、適宜の心距に置いた特設肋板及びそれを結ぶ船底側桁を設けたもの。第3は肋骨心距をやや広くし、心距毎に肋板を設け、縦パネルブレーカーをインターコスタルに入れたもので、アルミニウム合金製中小型漁船には、この形式のものが最も多い。
(1)肋板
肋板は、縦構造方式の船底縦通肋骨と同等の水圧、すなわち、基準水圧P0にスラミングによる付加水圧(P1−P0)の3/4が加わった値とする。
P=0.0358L−0.0139(kgf/cm2
両端固定の梁として断面係数を求める。実績値に対する比較計算であるから、安全率は1とする。
したがって、肋板の断面係数Zは次式によって求められる。

 

 

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特設肋板は上記肋板の計算式の水圧を、縦構造方式の特設肋板と同等の値として計算する。
すなわち、設計水圧Pは、基準水圧P0にスラミングによる付加水圧(P1−P0)の2/3が加わったものとする。
P=0.0344L−0.0185(kgf/mm2
特設肋板のスパンは中心線からチャイン(又はビルジ部)までの距離とする。
特設肋板の桁板の深さについては縦構造方式の特設肋板を参照する。
(2)中心線縦桁
縦構造方式の中心線縦桁と同様の計算をするが、設計水圧は上記特設肋板と同じである。したがって、中心線縦桁の断面係数Zは、次の式によって求められる。

 

 

273-2.gif

 

 

 

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