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アルミニウム合金船建造技術指導書

 事業名 小型造船技術講習
 団体名 日本小型船舶工業会 注目度注目度5


 

走できる条件は、異常な波高に出会った場合を除き、最大衝撃加速度6gと考えることができることが分かった。
波浪中で高速艇船体は剛な梁として運動するものと考えてよく、また、一般に業務用高速艇の速力範囲で強いスラミングを生ずるときのピッチングは、船尾に近い位置で加速度0となり、船首の加速度が最大となる。上の結論は、船首から船の長さの1/4〜1/3当たりに操縦席のある場合であって、日本式漁船のように船尾近くに操縦席のある場合は、さらに大きな船首加速度を受けながら航行できるものと考えて強度を増しておく必要があるだろう。限界状態で航行しているとき、異常波高に出会うと操縦者もさらに大きな衝撃を受けることがある。例えば、8g程度の衝撃を受けると、相当に訓練された者でも目の前が真っ暗になる(ブラックアウト)し、10g程度になるとホワイトアウトといった状態になる。
排水量1トンないし数トンの高速艇がきわめて高速で走るとき、F▽が6以上になるようなスポーツボート、競走艇などでは、時として25g〜30gの衝撃を計測することがある。このような衝撃加速度は持続時間(パルス幅)がきわめて短いため、乗員に及ぼす影響は大型艇の6gと大差なく、構造部材に及ぼす影響も同様と考えてよい。
客船などの一般乗船者は適当な衝撃吸収装置の付いた座席があっても、到底このような衝撃に耐え得るものではない。このような乗船者が著しい不快感を持たずに耐え得る衝撃を船内客室部の衝撃加速度1g以下、したがって、船首において衝撃加速度2gにおさえるのが適当と考えられる。沿海以上を航行する船舶に対しては、天候の急変に対する余裕を見込んでおく必要がある。
その使用法から、さらに大きな衝撃加速度を受ける可能性のある船舶にあっては、運航者が要求する使用条件に従って、さらに大きな衝撃加速度に対して設計しなければならない。
運航中に波浪が高くなって上記条件以上の衝撃を受けるようになれば、速力を落とすなり、コースを変更するなりして運航限界を守ることを期待しているわけであるが、波浪条件によれば微速で波に立てているだけでも6g程度の衝撃を受ける可能性があることが実際の損傷例で明らかにされているし、冬期の南方海上で操業するFRP漁船が、速力を若干落として荒天に備えても4g程度の衝撃を受けることが実測されているので、シェルターから遠く行動する船舶の設計にあたっては特に慎重に外力を決定しなければならない。

4.2 船体の曲げ

4.2.1 最大曲げモーメント
半滑走以上、F▽=4程度までの速力で波浪中を航行する船舶(業務用高速艇の計画最高速力はほとんど全てこの範囲内にある)は、船尾の水面に対する相対高さは余り変化しないまま、ピッチングとヒービングの達成した動きをしながら航行する。船底各部が水面と衝突する速度はピッチング運動による周速と、ヒービング運動の落下速度との和と考えることができ、その速度は船首において最も速い。また、ピッチング周期が一定であれば、ピッチング角が大きいほど船首における周速度も大となる。

 

 

 

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