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第3.8図 面内力と面外力

 
うと、左側は剛性が非常に高く、右側で急に剛性が低くなってしまうので、この防撓材の端末には、応力集中が起こり、くり返し荷重がかかると疲れによるクラック(亀裂)が入りやすく、また温度が低く、溶接の欠陥があるときは、脆性(ぜい性)破壊のもとともなる。この場合必ず(b)のようにフランジを切り、ウエブをテーパーさせて、(これをスニップという)、剛性を徐々に落とす必要がある。また(c)のように左右で防撓材の高さの異なるときは、段をつけずに、徐々に高さを合わせるのがよい。
鋼板が直角に交わる第3.1O図のような場合はそれぞれの防撓材の位置を一致させ、かつ(a)のように両方にスニップするか、(b)のようにブラケットで結合するか、また(c)のようにつなぎを設けるかの方法がある。(a)はそれぞれの板を防撓するだけでなるべく応力を散らせる方針であるが、直交部分の剛性は低い。(b)は直交部分の剛性を高くする方法で、肋骨と助板との連続、肋骨と梁との連続を保っために用いられる。(c)は特設梁、特設肋骨、実体助板を結ぶ、いわゆるトランスバースリング(横環節、縦式構造のタンカーにみられる)を形成する場合に有用である。最も剛性が認められる方式である。
 
 
 

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