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の分力として船の進行方向に直角で舵正中心Qに働く揚力(LIFT)PLと進行方向と逆に働く抗力(DRAG)PDが考えられ、いづれもkg単位で表わされる。
2.4.3 最大舵角を35°とした理由
BEAUFOYの式 Pn=58.8Aγυγ2sinθのようにPnはsinθに比例すると簡単に考えると旋回モーメント(M)はsinθ・cosθ=1/sin2θに比例するから舵角45°の時が量も旋回力が大きいことになるが、実際はPnはsinθに正確に比例しないで、舵角35°内外でMは極大になる。これ以上の舵角では抗力(PD)が増して速力損失が大きいので、一般に舵角は長大35°にとどめる。
備考:平面三角法の公式(三角函数の積の関係)として。
sinAcosB=1/2{sin(A+B)−sin(A−B)}がある。従ってsinθ・cosθ=1/2sin2θ、なお旋回モーメント(M)については2.5.1の第2−14図参。
2.4.4 その他
(1)推進器後流及び船体伴流
推進器後流は舵への流入速度を増し、舵の力を強める。この効果はスリップ比が大きいほど大きい。伴流は舵の力を弱める。
(2)空気吸込
舵が全没していないとき、また淡水しても浅いときには大舵角で空気吸込を起こし、直圧力は減少、舵トルクは増大し、かつ両者とも衝撃的な変化を示すことがある。
(3)船体及び推進器との関係
舵面積及び形状の決定にあたっては、舵・推進器の配置による効果を考慮しなければならない。舵と船体との間隙を小さくすること、推進器の直後に舵をおくことなどにより舵の効果を良好にすることが出来るが、あまり間隙が小さ過ぎると船体振動の面で好ましくない。
2.4.5 舵の諸寸法
(1)舵面積
2.2.4環縦性能(1)項第2−5表参照。
(2)バランス比
小型船はこみ合う航路や狭い港内での航行に備え運動性能を良くし、かつ離着岸を容易にし、風浪に対し風上に船首を向け(この際六角度の操舵は厳禁)転覆を免れるのも、又針路安定性を向上し航海中の保針を容易にするのも、機敏な操船により衝突を避けるのも、凡て舵が頼りでこの種の船舶の舵は舵角1°から5°の範囲で十分に効く。即ち舵の釣合

 

 

 

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