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が玄側にある場合等にら復原力算定範囲が小さくなることに注意する必要がある。
平水以外の旅客船では幅を増すより深さと喫水を増し、固定バラストを船底に搭載して重心を下げ、GMの増加と風圧側面横の減少を計る方が有利である。
(2)復原性範囲と諸係数
小型船では、復原性範囲を大きくすることはむずかしいといわれている。復原性範囲が小さいことは、GMがたとえ大きくとも復原力が小傾斜で消滅するので、危険を伴なう。
B/d、f/d、KG/Dが一定ならが、Cv=CB/Cwが小さい船、すなわちV型船型の船ほど復原性範囲が大きくなる。
(3)船倭の影響
船倭を設けると形状復原力が増加して復原性が改善される。特に小型船では喫水に比較して乾玄が小さいので、上甲板下だけの復原力では、十分な安全性を保持することがむずかしく、船倭により復原性は大きく改善される。その反面船楼を設けることにより重量の増加重心の上昇のような不利な点も伴なうので、この点もあわせて考慮にいれなければならない。
(4)玄弧の影響
玄弧の復原力に及ぼす影響は大きく、玄弧を大きくすることは形状複原力を増加させることになるが、玄弧の増大による重心の上昇に伴う損失がこれを上廻わる場合もあるので、注意しなければならない。
(5)その他
中小型船では、次のような原因による復原力に対する影響も大きいので、十分な配慮が必要である。
(a)甲板積貨物
(b)船内の自由水
(c)打込み海水の滞溜
(d)追波と船との相対位置
(e)海象・気象条件

 

 

 

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