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の焼却には風向などを注意すれば余り問題は生じないと思われるが、造船所のゴミは多種多様のものがあり、また化学系の材料特にプラスチッククズなども含まれているから、危険物の指定〔労働安全衛生法〕の物質が含まれている場合は、「消防法」によって、指定数量以上の危険物の貯蔵所に貯蔵しなければならないから、法規を参照にして慎重に処理しなければならない。
造船工場の危険物
酸素・カーバイト・アセチレンガス、ガソリン、シンナー、塗料、ポリエステル樹脂、硬化剤、その他の油類などがある。
(2) 水質汚濁
廃油、塗料粉沫、スケール、船塵、清掃残ガス、港内浮遊材、船台、船渠、工場敷地に沈殿した有害物質が降雨時に雨水ととも海面に流れ出す。小量だとあなどると、漁業補償などの問題に発展する危険がある。普段の注意が必要で工場内の清掃と危険物の処理に注意が必要である。
水質汚濁とは性質を異にするが、ビニール系のカバー類が海水底に沈殿あるいは漂流し、船舶の船底海水給水口を塞ぐ事故のもとになる。これは造船所ばかりでなく環境汚染の防止の上におたがいに守らなければならない道徳上の問題である。
(3) 騒 音
鋼船造船所の騒音発生の源は非常に多い。切断加工から船台搭載に至る工程について見ても機械加工によるもの、主動によるハンマー、ハツリ、衝撃音などさまざまである。鋼材は振動による音の発生が大きい材料だけに、加工時の消音は無理である。従って、音を外部に散さない防音以外にはない。音の発生源を屋内工場としてある程度の防音効果は可能であるが、全工程をカバーすることは特殊な事情(全工程を屋内工作とする)以外は先づ無理であろう。従って、騒音に係る環境基準以下におさえる必要がある。
 
騒音に係る環境基準(参考)
(人の健康の保護に資する上で、維持されることが望ましい基準)
a)道路に面する地域以外の地域(単位:ホーン)

 

 

 

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